不妊治療のこと〜上の子編〜
後日、手術。私は流産のショックで毎日泣いていました。旦那さんは、元々物静かなタイプですが、泣いたりすることもなく、感情をあまり出さずにいたので少し心配でした。なので、手術の間に、私に手紙を書いて、とお願いしました。思っていることを書いてみて、と。感情があふれだすきっかけになればと、私の日記も渡しました。
手術は、あっという間でした。麻酔から覚めたとき、まだ手術台の上。
大きくもなっていないお腹、それでももう赤ちゃんがいないんだと思うと、わんわん泣きました。ほんの11週(手術したのは11週)という短い時間、正直お腹にいたときは実感が薄かったけれど、こうしていなくなってしまって気づいたのは、私はもうお母さんだったってこと。こんなにも悲しくてつらくて。こんな感情は初めてだった。
術後、旦那さんから手紙をもらいました。そこには、お父さんになった彼の喜びと、失った悲しみが綴られていて、少しでも感情を外に出してしまうと、なぜ自分たちだけ?と周りに対してイヤな感情しか湧いてこない気がしたそう。
すでに区役所でもらった母子手帳とマタニティーマーク。
マタニティーマークは勲章のようで、なんだか誇らしい気持ちだったけれど、今手元にあることがつらくてしかたがなくて、泣く泣く捨てました。
3ヶ月のお休みのあと、治療を開始。
手術後の私は、どうしたら妊娠しやすいのか、ネットで調べまくって、ヨガ以外にジムに通い始め、鍼灸に通い、食べ物飲み物も気を付けて、旦那さんはタバコをやめました。
とにかく妊娠したかった。
周りからは、焦らなくても・・・と言われたけれど、私たちはただ取り戻したい、そんな気持ちだった。でも、今思ったら焦ってたんだと思う・・・。
躍起になっていろいろ頑張っていたけれど、流産した悲しみは消えるわけもなく、頑張っている自分と、心の悲しみがバラバラで、不安定だった。
あるとき、ヨガクラスで「ヨガの時間は、今を生きる練習です」みたいなことを伝えている自分にはっ!!とした。
今の自分はどうだろう?「妊娠したい」その思いから、妊娠できなかったらどうしよう・・・と不安からいろんなことをやってみたり、過去の悲しみに心を支配されていて、全然今を生きてない!!今を楽しめないのに、楽しい未来ばかり欲しがってる。赤ちゃんがお空から見たら、今の私を選んでくれるかしら。そう思ったら、流産後に始めたいろいろを一気にやめました。(極端・・・・)
次の周期、息子がやってきてくれました。
安定期に入るまで、健診に行った待合室で順番がくるのを吐きそうな気持ちで待ちました。
フラッシュバックする流産のとき。不安がずっとつきまとって、どんなに振り払おうとしても難しかった。今度はマタニティーマークを捨てたくない。ずっとつけていたい。
6ヶ月すぎまでヨガクラスもやっていましたが、健診で切迫早産気味だと診断され、急遽入院。2週間ほど入院後、大きな病院に空きが出たので転院。自分で歩けるのに、規則だと言われ、救急隊員に担架に乗せられ、救急車で移動・・・。中では和やかな会話。複雑。
大きな病院では、退院してよしとのこと。無事予定日2日前に出産となりました。
不妊治療で一番役立ったこと。それはヨガの智慧でした。
「今を生きる」
それにどれだけ救われたか。
心と体がつながっていることを体験した出来事でもありました。
今、赤ちゃんを授かりたくて頑張っている人に、そのことを伝えたい!心から思います。
また流産を経験したことで、元々子供がどちらかというと苦手だった私に、母性のベースを作ってもらえた気がします。そしてね、流産したこと、その出来事は私たち親にとってはとてもつらい出来事だけど、赤ちゃん自身は命を全うしているんですって。決してお父さんとお母さんを悲しませるために命の長さを決めてきたわけではなく、純粋に私たちの笑顔を見たくて、幸せにしたくて、決めてきている赤ちゃんたち。
流産。「こんなつらい思いをするくらいなら、妊娠しなければよかった?」と聞かれたら、「NO!」妊娠してよかった。短い間でもその思いだけで赤ちゃんは幸せなのかもしれません。
だから、今起こっていること、今はつらい、苦しいと思うことかもしれないけれど、必ず意味がある。自分の人生には欠かせないエッセンスがそこにあるんだと思います。
だから、いろいろ頭の中がぐるぐる考えてもいい。それすらも必要な道のり。
ただ、時々「今を生きてるかな」と、自分のことを観察してみてください。そして、気づいたときに、今の「呼吸」に意識をおいてみてください。
ヨガで「今を生きる」練習をしていきませんか?
0コメント